「俺チャラくないし。」


「だって中学の時さー、」

「え、聞きたい。聞かせろよ。」

「それは中学のとき。
 いまはチャラくないから。
 俺まじなの、いま。」


いきなり真剣な顔して慎吾は言った。


いままでの慎吾と違って
ちょっとびっくりした。


「本当に好きな子がいるってこと?」


「そうだよ。
 ずっと好きだったけど
 いまさらまじになってんの。
 俺だせー。」


いつもの慎吾に戻って
へらへらしながら言う。


「そんなことないよ。
 ずっと好きだったなんて
 めっちゃ一途じゃん。
 "チャラい"なんて言って
 ごめんね。」


「俺もごめん。」


一途ってすごい素敵なことだと思う。