昼休み。
昼食の時間を迎えた美月と咲は食堂へと向かう。
そこでも二人は注目の的、羨望の視線が二人を包む。
入学して二人が行動を共にするようになってから、いつでも二人には視線の網が絡み付いていた。
それは時が経てば当たり前になったが、どこか気取り観衆の理想像にせっせと務める自分が実に滑稽だった。
ここでもまた、二人の指定席は存在した。
外のテラスの一番端の席。
いつもの場所に二人が腰を下ろすと、抜けるような声が聞こえてきた。
「よう!お前ら今日も一緒だったのか!」
声を掛けてきたのは美月のもう一人の親友、木下夏樹(きのした なつき)だった。
美月がレズビアンであることを知り、心を許せる数少ない人間だった。
服飾化に在籍する夏樹も美月と同じくレズビアンであり、見た目は完璧な男だった。
長身と整った顔つきを持ち合わせた夏樹は自分によく似合う服を知っていた。
今日は足に程よくフィットしたストレートの黒パンツに、黒基調のTシャツ、上からライダースをはおり、足元は少し重量感のある編上げのブーツを履いていた。
「今日も男前ね、夏樹?」
咲が隣の椅子に「どうぞ」と言わんばかりに天に向けた掌を差し出した。
昼食の時間を迎えた美月と咲は食堂へと向かう。
そこでも二人は注目の的、羨望の視線が二人を包む。
入学して二人が行動を共にするようになってから、いつでも二人には視線の網が絡み付いていた。
それは時が経てば当たり前になったが、どこか気取り観衆の理想像にせっせと務める自分が実に滑稽だった。
ここでもまた、二人の指定席は存在した。
外のテラスの一番端の席。
いつもの場所に二人が腰を下ろすと、抜けるような声が聞こえてきた。
「よう!お前ら今日も一緒だったのか!」
声を掛けてきたのは美月のもう一人の親友、木下夏樹(きのした なつき)だった。
美月がレズビアンであることを知り、心を許せる数少ない人間だった。
服飾化に在籍する夏樹も美月と同じくレズビアンであり、見た目は完璧な男だった。
長身と整った顔つきを持ち合わせた夏樹は自分によく似合う服を知っていた。
今日は足に程よくフィットしたストレートの黒パンツに、黒基調のTシャツ、上からライダースをはおり、足元は少し重量感のある編上げのブーツを履いていた。
「今日も男前ね、夏樹?」
咲が隣の椅子に「どうぞ」と言わんばかりに天に向けた掌を差し出した。
