その様を遠くに見つめる人影一つ…
モデル並みの足をクロスさせ、美しい全身のラインを際立たせてその光景を見据える。
「今日も王子様は人気者ね?」
笑いを含んだその声の方に目をやると、美月も一つクスリと笑って口を開いた。
「おはよう、咲」
すると今ままで美月の周りを囲んでいたギャラリーは道を開け、美月と咲を引き合わせた。
二人が並んで歩き出すとその周りを囲むように皆も歩く。
そして美月と咲が教室につくと、ギャラリーも各々の場所に散って行く。
決まり切った毎朝の光景。
二人が迷いなく向かうのは、一番前の一番端の席。
お決まりの美月と咲の指定席だ。
その場所には誰も腰掛けることはなく、また半径1M以内には誰も近づこうとはしなかった。
二人は孤高の存在、何人たりとも汚せぬ聖域。
そこに腰を下ろすと、美月は机に顔を伏せた。
「あぁ~…疲れた…。なぁ咲、毎度のことだけど、この光景はおかしくないのか?絶対普通じゃないって…」
そんな美月をいたずらに笑いながら、咲はそっと頬を撫でた。
「仕方ないでしょ?だって、私と美月は王子様とお姫様ですもの。誰もが憧れ、そして入り込むことのできない関係。」
恥ずかしげもなく、さもそれが当たり前と言わんばかりの言葉だった。
皮肉っぽく笑いながら顔だけ起こすと、咲の頬にそっと手を伸ばした。
「そうだね。君は僕のお姫様だ。誰にも汚せるものか。潤ったその唇は僕だけに忠誠を誓い、滑らかな手は僕に触れる為だけに。
艶やかな髪は僕の胸だけに預けられ、そして僕の愛は…」
そこまで言うと美月はすっと頭を起こした。
「貴女の愛は?私だけに向けられるんじゃないのかしら?」
微笑み交じりに話す咲にククッと笑うと、静かに目を伏せた。
モデル並みの足をクロスさせ、美しい全身のラインを際立たせてその光景を見据える。
「今日も王子様は人気者ね?」
笑いを含んだその声の方に目をやると、美月も一つクスリと笑って口を開いた。
「おはよう、咲」
すると今ままで美月の周りを囲んでいたギャラリーは道を開け、美月と咲を引き合わせた。
二人が並んで歩き出すとその周りを囲むように皆も歩く。
そして美月と咲が教室につくと、ギャラリーも各々の場所に散って行く。
決まり切った毎朝の光景。
二人が迷いなく向かうのは、一番前の一番端の席。
お決まりの美月と咲の指定席だ。
その場所には誰も腰掛けることはなく、また半径1M以内には誰も近づこうとはしなかった。
二人は孤高の存在、何人たりとも汚せぬ聖域。
そこに腰を下ろすと、美月は机に顔を伏せた。
「あぁ~…疲れた…。なぁ咲、毎度のことだけど、この光景はおかしくないのか?絶対普通じゃないって…」
そんな美月をいたずらに笑いながら、咲はそっと頬を撫でた。
「仕方ないでしょ?だって、私と美月は王子様とお姫様ですもの。誰もが憧れ、そして入り込むことのできない関係。」
恥ずかしげもなく、さもそれが当たり前と言わんばかりの言葉だった。
皮肉っぽく笑いながら顔だけ起こすと、咲の頬にそっと手を伸ばした。
「そうだね。君は僕のお姫様だ。誰にも汚せるものか。潤ったその唇は僕だけに忠誠を誓い、滑らかな手は僕に触れる為だけに。
艶やかな髪は僕の胸だけに預けられ、そして僕の愛は…」
そこまで言うと美月はすっと頭を起こした。
「貴女の愛は?私だけに向けられるんじゃないのかしら?」
微笑み交じりに話す咲にククッと笑うと、静かに目を伏せた。
