双子恋愛

「瑞希、ちょっと来て!」

「ん?」

 声の方に振り向くと、笑顔の柚那。
 柚那の所に向かうと、気づく。
 周りに男の子がいっぱい!
 皆、柚那を囲むようにいる。
 こ……怖い!
 それに全く気づかない柚那。
 行き難いんですけどーっ。

「早く早く!」
 
「はいはーい」

 仕方ないなぁ……。
 柚那の所に行くと笑顔の柚那。

「どうしたの?」

「今日、家に遊びにおいでよ!」

「あ、行く行く! お泊りも良いの?」

「もちろん! じゃ、放課後ね」

 羨ましそうな男の子たちの目に縮こまりながら席に着く。
 ちょうど担任になった先生が入ってきた。

「皆さん、おはようございます」

「「おはようございます」」
 
 担任の先生……女の先生で可愛らしい感じ。
 きっとモテるんだろうな。

「担任の南 愛莉です。担当教科は国語。皆さん、宜しくね?」

 ニコッと笑った愛莉先生。
 可愛いなぁ……。
 ほら、男の子たちが顔赤に染めてる。
 ……違った。
 柚那を見て染めてるんだ。
 だって今、柚那は横の女の子と笑ってるんだもん。
 可愛い笑顔を満開に見せて。
 あーあ……ファンクラブできたらどうすんのよ。


「では、今日はこれで終わりです。皆さん、さようなら!」

「「さよーなら」」

 今日知り合った友達にバイバイをする。
 あ、男の子たちにもしとこうかな。

「バイバイ!」

 男の子たちって仲良いな。
 皆で帰ってる。
 私が声を掛けると全員が顔を赤く染める。
 何でーっ!?
 パッと横を見ると柚那の笑顔。
 ああ、それでか。
 柚那ったらモテモテなんだから。

「瑞希! 車、用意したから!」

「ありがとう。車、良いの?」

「うん! じぃにも言っといたから」