「兄弟? 双子ならね」

「どの子!? 見て見たい!」

「もう見てると思うよ」

 瑞咲、目立つし……ほら。
 瑞咲を見ると、友達が出来たのか大きい声で笑ってる。

「え? このクラスじゃ無いわよね? 似た子、いないもの」

「このクラスだよ?」
 
 誰も分かんないんだよね……。
 あんまり顔、似てないんだって。
 
「どの子よ? あ、森田さん?」

「違う違う! 名字一緒だよ」

 柚那と双子かぁ……。
 何か嬉しいかも!
 ずっと一緒にいたから双子みたいなもんだけどね。
 
「え……じゃあ、藤原さん?」
 
 私も藤原さんだけどね。
 そんなに似てないかなぁ。

「そうだよ。紹介しようか?」

 真菜、むちゃくちゃ驚いてる。
 
「良いわ。あのタイプ、苦手なの」

 ちょっと笑った真菜。
 そうだよね……外見、怖いもん。
 けど、外見で決めちゃいけない。
 それを瑞咲が教えてくれた。
 言葉使いとかは悪いけど、優しいんだ。

「おーい! 瑞希!」

 誰?
 振り返ると瑞咲が手招きしてる。
 注目浴びてるよっ。
 瑞咲の近くに行くと瑞咲と似たような感じの子たちが1人。

「瑞咲、どうしたの?」

「こいつに紹介しよ、と思ってな」

「ふーん……分かった」

「ちいっす! 中野茜、宜しく!」

 茜ちゃん、言葉使いが……。
 でも悪い子じゃなさそうだね。

「姉の瑞希です! 仲良くしてね」

「姉っつったって、双子じゃん!」

「てかさ、全然顔違うな」

 やっぱり、そうなのかなぁ。
 よく分かんないや。
 
「瑞希っち、可愛ゆすっ」

 瑞希っち!?
 初めてそんな呼び方呼ばれた!
 まあ、何でも良いけどね。
 可愛ゆす……あ、可愛いって意味か。
 言葉使い難しい……って叔母さんみたい。