―ピンポーン……

「瑞希! 柚那ちゃん来たわよー」

「はーいっ」

 部屋のドアを開け、階段を降りる私。
 ―藤原 瑞希。
 今日は新しい学校に入学する日。
 初日から遅刻なんて出来ない。
 
「おはよう!」

「おはようっ」

 私の前で微笑む親友。
 ―森田 柚那。
 小学校からの付き合いでずっと一緒。
 性格良し、顔良しのモテモテちゃん。
 頭も中学校の頃はクラス2位。
 
「今日から高校生だね」

「ホント! 緊張する~」

 私たちは今日から高校生になる。
 憧れの喜多川高校に私と柚那、2人とも合格できたんだ。
 喜多川高校は私服なんだ。
 今日は花柄のスカートにレギンスを履いて白いニット。
 メイクはせずに、髪は少しだけ巻いた。
 私の大好きな清楚コーデ。
 派手な格好、好きじゃないんだ。
 柚那は水色の薄いワンピースを着て髪を巻いている。
 もちろんメイクはしてない。
 柚那も清楚大好き仲間なんだ。

「やっぱりメイクは無しだよね!」

「もちろん! 約束したもんね」

 約束とは、去年柚那とした約束。
 絶対にメイクはしない。
 それを約束した。
 メイクすると余計に肌荒れるしね。

「着いた! わ、緊張!」

「うん! 同じクラスが良い!」

 ドキドキと心臓を弾ませながらクラス表を見に行く。

「あった!……B組だって」

 B組……どんな人がいるかな?
 目を通していくと……柚那の名前。
 同じクラスだっ。
 柚那も分かったのか、ニッコリ笑う。
 あーあ……男の人たちが顔真っ赤。
 柚那ったら超美少女なのに自覚無いんだから。

「ね! 行って見ようよ!」

「うんっ。行こっ」

 柚那と同時に走り出して教室を目指す。
 B組は2階だった。

「誰がいるかな?」

「楽しみ!」

 ―ガラッ