片思いしてます

そして、朝を迎える。



私はいつもの電車に乗り込む。




電車の中はいつもの混雑ぶり。




私は、あの人の姿を探す。




「…」




いた。




私のテンションは上がる。




自然と顔がにやける。




今日も、あの人は小説を読んでいる。




私は、うっとり見つめる。




なんの小説を読んでるのかな。




同じ本を読みたい。




そうだ、次の駅に着いた時にがんばってあの人の近くに行こう。




そうしているうちに電車は駅に到着する。




扉が開くと降りる乗客と乗ってくる乗客で、電車の中に動くスペースができる。




私は、少し強引にあの人の近くに移動する。




ラッキーなことに、私の背中を誰かがぐっと押し、私は、バランスを崩しながら奥へ進む。




「…」




嘘。




やっと体勢を整え、顔を上げると、私の目の前にあの人。




それも、少し体がひっついてる。




どうしよう、どうしよう。




私の、心臓はバクバクと鼓動する。




顔が上げられない。




完全に向き合っている状態だから、顔を上げると絶対に目が合う。




どしよう。




息もうまくできない。




いつもと違うことするから。




自分の行動を恨むと同時に、こんなに近くにいられること、それに少し体が触れ合っていることがなんとなく嬉しい。



私、変態?



いや、これが恋。




しばらくの間この幸せに浸らせてほしい。