片思いしてます

ちょっと待って、その程度だったら、川北さんに私のこと言うんじゃないの?



子どもが大人のことを好きって、ほのぼのした話のように言われるんじゃない?



それは困る。



母にまで知れたら…。



恐ろしい…。



口止めしないと。



航也さんとは、親同士が恋人ってだけで、私と航也さんはこれからそんなに付き合うことはない。



恥をかいてもこの場でおさまる。




「あの家だよね」



「え、あ、はい」


やばい家に着く。



「あの」


「ん?」


「その、私が言ったこと誰にも言わないでください」


「え?」


「私が告白したこと」




あー、もうこんな恥ずかしいこともう嫌。



「…」



航也さんは何も言わなかった。



でも、何か言ってもらはないと困る。



私は、運転する航也さんを見た。



「もちろん、父にも有希さんにも」