片思いしてます

私達4人はレストランを出た。



母と川北さんは2人で楽しそうにどこかに行ってしまった。



残された私と航也さん。



「行こうか」



航也さんは歩き出した。



私も、航也さんについて歩いていく。



エレベーターで地下の駐車場まで降り、航也さんは一台の車の前でとまる。



「ちょっと待ってね、荷物片付けるから」



そういうと助手席の荷物を後ろの座席に移す。



助手席に乗るんだよね。



当たり前か。



「乗って」



私は、言われる通り助手席に乗る。



私の心臓が異常なほど鼓動する。



だって、男の人と付き合ったことない私が男の人の車乗る、それも二人っきり、そのうえ、この間失恋した人。



平静を装うなんて無理がある。



母の恋人の息子っていうだけで、私の頭は混乱してるのに、2人っきりで車に乗るなんて。



少し前まで、名前も知らないただ同じ電車に乗ってる人だったのに。



この急展開についていけない。