チャイムがなり一時限目が始まった。



増田さんの席は空いたまま。



クラスのみんなはそのことで頭がいっぱいだった。






増田さんが帰ってきたのは、一時限目が終わった休憩時間。




静かに教室に入ってき、荷物を鞄にいれ、教室を出て行った。




増田さんの背中がとてもか弱く見えた。




「隣のクラス、さっき荻野の授業だったみたいだけど自習になったんだって。
やっぱりそのことだろうね。これから大変になるんじゃない」


結衣が、言ってきた。


「増田さん、どうなるんだろう」


「謹慎とかじゃない」


「そっかー」


「それより荻野はクビになるんじゃない」


「なんで?」


「生徒に手を出したんだから、責任とらされるんじゃない。
PTAとかもそうしないと納得しないんじゃない?」


「そっかー」



先生と生徒だとそういうのが大変なんだー。



当事者の2人は、先生と生徒っていう意識はないのに。



なんか、かわいそう。



好きになっただけなのに…。



人から許されない恋愛。