「よかったね。
でも、すごい急な展開だね。昨日まで、反対じゃなかった?」



朝、学校に登校するなり結衣に昨日のことを報告する。



「うん。私も、もっと悩むかなーって思ったけどすんなりと受け入れられた」



私は、照れ笑いをする。



あんなに母親に対して怒ってたのに自分でも驚いた。



母が、好きってあんなに真剣に言われると私も反対しづらいよ。



「でも、よかった。お母さんと仲直りできて」



「うん。
結衣のおかげ、ありがとう」







その時、教室の扉が勢いよく開けられる。



教室が一瞬で静まりかえる。



担任の先生が入ってきた。



「増田、すぐに職員室に来なさい」



みんなが増田さんに注目する。



増田さんは、静かに立ち上がり教室を出て行った。



みんな、その様子をじっと見つめていた。



増田さんが出ていくなり、みんなそれぞれに想像し始める。




それは、みんな同じ想像だった。



「ばれたのかなー」



結衣が言ってきた。



「…」



私は、増田さんの開いた席を見つめていた。