片思いしてます

「今日は、機嫌悪い？」



昼休み、いつも通り階段の踊り場で昼食を食べる。



結衣は私に聞いてきた。




「悪い」



私は、一言答えパンを頬張った。






昨日あれからすぐに母の恋人は帰って行った。




私は、自分の部屋でもんもんとしていた。




母は、私と話がしたいって部屋に来たけど、私は、無視したまま。




もう頭が混乱してわからないよ。




母に恋人ができて、私に認めてほしいって…。




母には、父がいるのに…。




もう、忘れちゃったの？






「ねー、結衣、お母さんに恋人ができたの。それを私に認めてほしいって…
どう思う？」



私は、ぽつりと言った。




結衣はびっくりした顔をみせた。




「…とりあえずショック」



やっぱりそうだよね。



誰だってショック受けるよね。



「…自分の母親が、女の一面をみせるのはなんか嫌…」



結衣は話し続ける。



「…琴子には言ってないけど、私の母親も再婚なの」



「…」



私は、結衣の顔を驚きの顔で見た。



知らなかった。



「私も、初め再婚するって言われた時には驚いたけど、結果今こうして母親も私も本当の父っていうか、もう本当の家族だね。
私が、小学校の4年の頃に今の父を紹介され、結構反発したけど、結構いい人だったからいつのまにか私もなついていた。まだ子供だったからね」



結衣は、笑いながら話す。




「…ごめんね」



「ううん。私の経験が参考になるとは思はないけど…。
琴子のお母さんの立場になって考えてあげるのもいいんじゃないかなー。
…ごめんね、えらそうに言って」



「…ううん」