「今日お弁当じゃないんだ」



昼休み、結衣といつもの階段の踊り場でごはんを食べる。




この場所は、校舎の外の階段でめったに人が来ないとっておきの場所。




いつも結衣と二人でここで昼休みを過ごす。




「ちょっとお母さんと喧嘩中」



「ふーん」



結衣は、お弁当を開き、膝に乗せ食べ始まる。



私も、買ってきたパンを頬張る。




「でも、その人もひどいよね。デリカシーがないっていうか、鈍感っていうのか」



川北さんのことは、結衣には全部言った。



「…もういいよ」



結衣に言ったことで、本当に気分が収まった。



付き合っていたわけでもないから、失恋の傷はすぐに癒えてくる。



こんなもんで収まるんだからそんなに好きじゃなかったのかなーって思えてくる。



私って結構恋愛に対してクールなのかもしれない。




「琴子、次はもう少し自分にあった人を探したらいいんじゃない。
女子高だから、学校での出会いはないけど、誰か紹介してもらうか、コンパに行くか」



「うーん…。今はそんなこと考えれない。
私のことより、結衣はどうなの?」



「あんまり興味ないなー、琴子ができたらほしくなるのかなー」



私達は、ぼーっと空を見上げていた。