片思いしてます

少し遠回りをしてから、家に着いた。




リビングの明かりがついている。




お母さんにこんな顔みせたくない。




まだ、目が熱い。




見たら泣いたってすぐにわかる。




私は、玄関を開け、急いで靴を脱ぎ階段を駆け上がった。




部屋に入り、ベッドに倒れこんだ。




「琴子」



母の声。



部屋の前にる。



「おかえり、バイトお疲れ」



「…うん」



私は、短く答えた。



「…昨日のこと」



そうだ、母と今喧嘩中だった。



私は、何も答えなかった。



「…今度ちゃんと話したいから」



「…」



なにを話すの?



「お風呂、すぐに入れるから」



母はそう言って、階段を下りていく音がした。