片思いしてます

二次会も終わり、片付けも終わった。




キッチンのスタッフもホールに出てき、疲れた顔でイスに座っている。




私は、失恋と疲れでくたくただった。




早く家に帰って一人になりたかった。




「有川さん、お先に失礼します」



「お疲れ、気を付けて」



有川さんにあいさつし、他の従業員にも「お疲れ様」と急いで着替えをすまし、店を出る。




店の外は、もう真っ暗だった。




私は、大きく息を吐き出し道に出る。




「…」




その瞬間、心臓が大きく鼓動した。




…川北さん。




私の目の前に川北さんが立っていた。




「…あの、ちょっと…」



川北さんは、ぎこちない感じだった。



私は、はっとした。



「忘れ物ですか?」



よくあること。



なにドキッとしているんだろう、私のことを待っているはずなんかないのに。



自惚れていた自分が恥ずかしかった。