片思いしてます

私の頭の中が真っ白になる。



その場に立っているのが精いっぱい。




プロポーズとも言っていた。




そんな相手がいたんだ。




私は、川北さんを見た。




「…」



川北さんと目が合った。



私は、急いで目をそらす。




「咲田さん、もうすぐデザート配るからテーブルの片付けしていって」



「…はい…」



そういわれ私は、近くのテーブルの開いた食器やグラスを片付ける。




ぎこちない動きが自分でもわかる。




はやくこの場から立ち去りたかった。




川北さんのテーブルでは、まだ実和さんがいる。




そこには行きたくなかった。




でも、私はゆっくりそのテーブルに行く。




「失礼します、開いてるお皿下げますね」



私は、川北さんと目が合わないようにテーブルの上のお皿を下げる。



「ありがとう」



「…」



実和さんが笑顔を見せた。



近くで見ると、本当にきれいな人。



この人の笑顔に吸い込まれる。




私は、一礼をしキッチンへ戻る。