片思いしてます

「あっ」



テーブルに置かれたお皿を下げていると、私は一人の人に目がとまった。




川北さん…。




川北さんも私の視線に気づいた。



「…」



私は、会釈をすると川北さんも会釈を返した。




私は、そのままキッチンへ入る。




ドキドキする。




電車以外で会うなんて。




こんなことってあるんだ。




こんな偶然、すごく嬉しい。




どうしよう、顔がにやけてくる。




私は、平然を装ってホールに戻る。




仕事をしながら、ちらちらと川北さんを見ている。




職場の同僚らしき人たちと、笑顔でなにか話してる。




いつもと違う、ラフな感じがする。




こんなに、笑顔をみるのも初めて。




昨日の母のことで、むしゃくしゃしてたけど、川北さんの笑顔で救われた気分になる。