母さんはまだ話したそうだった。
「ハルカ、守って欲しい事覚えてる?」
丸で恋人との約束みたいだ。
「食事、睡眠……」
「違う!!その他に!!」
母さんは忘れたの?って顔で言った。
「人はね、愛されて育つ!そして何気無く話す言葉が大事な宝なの!分かった?」
「つまり、言葉が人と人を結びつけるって事だな?」
母さんは頷いた。
そしてクルッと右回りをして俺の顔を見なかった。
歩いて行った。
振り返らなかったのは、また会えると思ってるからだよな?
だからサヨナラは言わない。
涙も寺島も、
ちゃんと決まりは守ってたんだよな?
俺は母さんの後ろ姿を見つめながら小さく言った。
「心配してくれて、ありがとな…」

