井上は涙の携帯をしっかり握りしめながら床に倒れた。 「井上…!!」 俺は井上を抱いた。 そして背中から溢れてくる血を手で止めた。 「死ぬ時間が来る前に死んじゃうかもね?」 陸は涙の声で笑った。 「涙…お前は悪魔だ、人を殺そうとして嘲笑うなど人間じゃね…!!」 俺は涙に叫んだ。 涙が出てくるのを堪え、睨んだ。 玲も気を失って動けない、自分で何とかするしかない。 俺は井上を抱えて急いで救急車に連絡した。