涙はもうそれ以上、兄弟と言う関係には話をして来なかった。 「私はとにかく指が欲しいの…大好きなピアノは10本無きゃ意味無いからね?」 「じゃ何で自分で指を切り落としたんだ!」 涙は静かに呟いた。 「切られたのよ、大事な友達と好きな人に…」 「自ら命を経たなくて良いだろ…?!」 「私の辛さを知らずに勝手に首を突っ込まないでくれる?だったら貴方の指を頂戴!」 「誰が友を裏切るような奴に指をやるか!」 「姉にそんな言葉を吐くの?」 俺の首はいきなり締め付けられる感じがした。