Ⅹ#Sound.t.DL


「…ファーストキスの味って分からないよね?」


井上にキスされた。
俺の顔はゆでダコ以上の暑さになってたと思う。

それは嬉しいとかの感情より、井上の表情と行動が一致して無かったからだろう。


「あのさ井上…?」


「何も言わなくて結構です!バスの中ですよ!!」


何で急に敬語!?


「アッ!目的地に到着だよ!!」


井上が急いでバスから降りた。



人間と言うのは長く付き合うからといって完全に中まで分かるとは限らない。

一秒後に初めてしる事もあるのだ。


俺はウサギみたいにすばしっこく走る井上の後を追いかけた。