寺島は俺達に自分が死ぬ事を知られたくなかった。
何故なら自分を助けて欲しいと聞こえそうで、わざわざ真っ赤に染まった手をコンシーラーで隠した。
「もう君達に話す事はないさ…RUIをとにかくさがしてくれ…」
寺島は無理矢理、俺達をトイレの外に出された。
寺島はと言うと、トイレの中に入っていった。
井上は先に歩いて行ったが俺には聞こえた。
寺島は泣いてた。
誰を思って、何を思って泣いてるのか?
RUIを思って泣いてるのか?
それとも、自分の死を恐れて泣いてるのか?
寺島の涙は、余りにも静かだった…
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