Ⅹ#Sound.t.DL


寺島はトイレの洗面器の蛇口をひねった。

寺島は井上に言った。


「コンシーラーって知ってるかい?」


井上は頷く。


「私はね、君達に死ぬ事を知られたくなかったんだよ…同情されるのが嫌でね」


寺島は蛇口から出てくる水に手を洗った。

手はみるみる内に真っ赤な皮膚の姿を現した。


「痛いね…?」


寺島は笑いながらも、何処か苦しそうな表情を浮かべた。