「嫌…」 井上の手が止まった。 顔色が多少悪くなっていた。 「井上?」 俺が心配したら井上はピアノの鍵盤を指さした。 「血…?誰の血痕?」 井上はただぼーっと鍵盤についている血をみていた。 「汚れじゃない…本物だ」 赤黒い血が埃と混じってへばりついていた。 何で鍵盤に血が……? 答えはなんとなく分かった。でも言いたくなかった。 「…痛い…!!!」 井上が叫びだした。 指を押さえている。 またRUIの仕業なのか??