井上が完全に病室から出た後、寺島は椅子にドサッと座り咳払いをした。 「体の調子はどうだ?」 「まぁまぁです」 ホントは痛いと言いたかったが、弱音を吐くのは辞めた。 「そうか、ちょっと心配して来たんだ」 寺島の喋りはいつもの明るさが欠けてた。 「…何か話があるんですよね?」 俺は寺島が言いにくい事でも聞かれると思って先に聞いた。