先生はあたしたちにもう一度同じことを話して
「とにかく無理は禁物。それから左足に負担を掛けすぎないように。負担掛けすぎると今度は左足を悪くするからね。次は1週間後見せに来て」
と言われた。
「「ありがとうございました。」」
あたしたちは処置室を出た。
「あたし宮川先生に連絡してきます!」
「悪い。頼んだ。」
あたしは1度病院を出て携帯を取り出し、先生に電話を掛けた。
「もしもし」
「…もしもし、二ノ宮です。」
「おう、どうだったか?」
「右足外果骨折で、全治一ヶ月だそうです。」
「そうか…まあ、あいつのことだしそんなにしないで治すだろうけど。都大会決勝までに戻ればいいところだな。」
「はい…試合はどうだったんですか?」
「5-1だよ。まあまあだ。1回戦目で点数取られてちゃこの先危ないけどな。」
「そうですか…。」
「これから学校に戻ってミーティングするから山下も来れるようなら参加するように言って。」
「分かりました。失礼します。」
あたしは電話を切った。