青空ライン




都大会ってことはその前に負けて引退しちゃった三年生もいるわけだ…



それに山下先輩はこのチームのエースだからそのプレッシャーだって



顔には出さないけどきっと感じてるはず。



あたしはポケットに手を入れて、あたしの大好きなキャンディを取り出して


手をグーにして先輩に手を向けると、差し出してきた掌にキャンディをのせた。



「緊張が和らぐように。甘いもの嫌いじゃなかったら食べて下さい。」



「ありがとう」



先輩はそう言うと袋を開けてその場で食べてくれた。



「二ノ宮らしいね。」



「え…?」



「二ノ宮のポケットは凄いよ。少し緊張が和らいだ気がする。



飴もらったんだし、頑張らないとな~。」



と先輩そう言うと、あたしの頭をポンポンとした。