やめて下さい!
本当に死んじゃいます!
なんて言える訳なくて、あたしも先輩の笑顔につられて先輩に微笑んだ。
みんな後少しで試合なのに
昨日のテレビの話とか
家であった何気ないこととか楽しそうに話してて、
緊張とかしないのかな?なんて思いながら見てた。
そして気づいたら、先輩が隣にいた。
「わっ!え…?先輩?」
「やっと気づいた。」
と呟くとクスッと先輩は笑った。
「いたなら言って下さい!びっくりしたじゃないですか?」
あたしはちょっと先輩を睨んだ。
「俺ちゃんと二ノ宮って何度も呼んだんだけど…
ボーっとしてたから隣に行けば気付くかなって」
「みんなもうすぐ試合なのに楽しそうに話していて、緊張とかしないのかなって思ってたんです。」
「まだこれくらいじゃしないだろうな。全国に行けばするんじゃない?」
まだ都大会1回戦目だしね。
今日のチームの勝敗結果とか相手のポジションとか調べたけど
そんなに上まで上がってるチームじゃなかった。
でも油断してるとコロッと負けちゃうからね!と苦笑いの先輩。
「先輩もしてないんですか?」
「俺はしてるよ。この大会で1つでも負けたら、もう二度と3年生と一緒にプレーすることはないからね…」
そう言うと先輩はちょっと切なそうな顔をして笑った。

