トクントクン… 山下先輩の鼓動が規則的に聞こえる。 安心する… ずっとここにいたい。 『…怖かった…です』 『すぐ気付けなくてごめんな』 そう言うと先輩は抱き締めてくれた。 あたしはフルフルと首を横に振った。 『…助けに来てくれただけで…十分です。』 あったかい… 安心する。 先輩が優しく背中をポンポンとしてくれて、それが「もう大丈夫だよ」って伝えてくれてるような気がした。 『そう?良かった、とりあえず無事で』 先輩はあたしの震えが止まるまでずっと抱き締め続けてくれた。