先輩は髪を掻きながらあたしに話し出した。 『一昨日、部長と顧問と話してただろ? その時優が見てたみたいで、俺に 「あの子知ってる、話したことある」 っていつも部活の時は全然外野なんか見ねぇのにそう言ってきて 俺も見たらそれが二ノ宮で、いつ話したのか聞いたら… 前、あの時二ノ宮が家来て、話してたことと同じ話してた。』 山下先輩… あたしのことちゃんと覚えててくれたんだ。 …嬉しすぎるよ。 絶対覚えてる訳ないってずっと思ってきたのに。