だけど、どうしてもこんな何も役に立てないまま辞めたくない。
『先輩…』
『分かってるよ、絶対言わないから』
『え…?』
まだ何にも言ってないのに。
…あたしの気持ちに気づいてくれた。
『だってその気持ち気付いてもまだ危ういでしょ?
入部したてでもしかしたら恋愛じゃなくて憧れの方で取られたくないのかもしれないし…
とにかくこれから時間はたくさんあるんだからそれでだんだん気付いて行けばいいんじゃない?』
『…はい』
『ただし条件がある』
『…何ですか?』
あたしは手が赤くなるくらいぎゅっと握って条件を待った。

