いつものように部活が終わったあたしは今、希美の家に立っている。
今になって希美に頼るなんて性格が悪すぎることも分かっているけれど、今日はどうしてもお願いがあるんだ。
あたしはゆっくりチャイムを鳴らした。
「はい、どちら様ですか?」
とインターフォンから聞こえてくるのは優しそうな希美のお母さんの声。
「えっと、杏です。希美はいますか?」
「あら、杏ちゃん!ちょっと待っててね。今開けるから」と希美のお母さんが言うと「希美ー」と呼んでいる声が聞こえた。
ガチャと音がするとそこには希美の姿があった。
「どしたの?」
「あのね、話があるの。」
「ようやく話す気になったのね。上がって。」と言って希美はあたしを中に入れてくれた。

