side 優
やっと五月蝿い奴らが帰った。
2人でゆっくり過ごすつもりだったのに
本当に予定外だ。
杏はキョトンとしながら俺の顔を見ている。
「おいで」
俺は杏の腕をそっと掴んでリビングのソファーに座った。
「今日はごめんな。両親たちが来ちゃって…」
って言おうとしたら
「優、誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとう。
それからあたしを選んでくれて本当にありがとう。」
と照れくさそうな顔をして杏が言った。
今…優って呼んだよな?
それから敬語じゃなかったよな?
俺は思わず杏を抱き締めた。

