洗い物を終えると「遅くなる前に帰るわよ」と先輩のお母さんが言い、先輩の両親たちが帰ることになった。
「それじゃあ、私達は帰るわね。
見送りはここでいいから!もし誰かの目に晒されたら大変だから。
優、年末には杏ちゃんと一緒に帰ってくるのよ。」
え?あ、あたしも?
「杏も?」
「当たり前よ。もう家族も同然だし!お母さん杏ちゃん気に入ったわ。」
と先輩のお母さんはにこにこ。
「ありがとうございます!」
あたしは軽くお辞儀した。
「じゃあ年末に。」
「俺たち帰るからって杏ちゃんに変なことするなよ。」
へ、変なこと?
最後に先輩のお兄さんがそう言い逃げして帰っていった。
「うるせー」
と呟く先輩。いつもはそんな口悪くないのに家族の前では口が悪くなるみたい。
新しい一面も見れて良かった。

