「杏?」 先輩が切なそうな顔をしてあたしを見る。 そんな顔しないで下さい。 できるなら今すぐ嫌いになりたいのに… きっとこんなに長い間先輩のことを想ってきたんだから そう簡単に嫌いになることなんてできない。 だけど口では思いもしないことを言っていた。 「離して下さい! あたし先輩のことなんか 先輩のことなんか大っ嫌いです!」 あたしは俯いて目をギュッと閉じた。 もうその場にいたくなくて必死に抵抗した。