side 杏
その日もいつもどおり朝練があって
朝練が終わって教室に向かう所だった。
時間はチャイムが鳴るちょっと前で辺りは人が全然いなくて
急がないと遅れちゃう!と思いながら走っていると
空き教室に男の人と女の人がいるのを見つけた。
朝から告白かな?と思いながら通り過ぎようとしたら
内容は聞こえないけど山下先輩の声が聞こえた。
あたしは惹き付けられるように走るのをやめて、2人にバレないようにこっそり見てみると
「…くん……好き」
「…ん」
「……お願い!」
告白されてるみたいだけど女の人が大きい声で言ってる時しか聞こえない。
こんなことしたって仕方ないって思ったけど、あたしは限界まで近づいてみた。

