お母さんはあたしの元に来ると 「はい!意外と重かったのよ~これ!」 と言いながらあたしに渡した。 あー、こっちはいらないって言ったのに。 まっいっか! あたしはそれを抱き締めると 「お母さん、ありがとう!帰ったら話いっぱい聞いてね!」 と言って控室に向かって走り出した。 走っているとお母さんが少し大きな声で 「サッカー部のみんなに見せればちゃんと杏の気持ちは伝わるわよ!」 と言ってくれた。 あたしは1度止まって振り返り コクンと1回頷くとまた控室に向かって走った。