青空ライン






あたしは控室を飛び出してすぐにお母さんに電話掛けた。



「もしもし、杏?やったわね!次の試合もお母さん楽しみだわ!」



と未だ興奮して余韻に浸っているお母さん。



じゃなくて!



「お母さん、ついにあたし役に立てる時が来たかも!」



「あら、良かったじゃない!ちゃんとあれ持ってきたわよ。今から入口まで持って行くから待ってなさい。」



「はーい!」



あたしはお母さんより早く着くのは分かってたけど、入口までダッシュした。



あたしのお母さんはサッカー大好き。



あたしがマネージャーやろうと思ったきっかけは山下先輩のこともあるけど



お母さんが高校時代サッカー部のマネージャーをやっていた話を聞いてってこともある。



だからこうやってお母さんはあたしが試合に出る訳じゃないのにちゃっかり試合に見に来る。



ちなみにお父さんは同じサッカー部の人。



お母さんたちの学校は部内恋愛OKだったからオープンに付き合ってたんだって。


うらやましい…



あたしもいつか山下先輩と…


なーんてね!



そう思ってたらこっちに向かって歩いてくるお母さんの姿が見えた。