「……っはぁ、なんで俺まで帰らなきゃならないんだよ」
「あんた、バカ?私が抜けて新米カップルのあの2人に、由紀がいたら邪魔でしょーが!」
「そうかぁ?」
「そうよっ!…じゃ、まぁとりあえず私は行くから。またね!」
急ぎ足でその場を駆けて行く彼女。
由紀は若干モヤモヤしながら、その後ろ姿に声をかけた。
「なにっ…?」
「バイト頑張れよぉ!じゃあなぁっ」
小さなことだけど、美香にとっては充分な言葉だった。
「ありがとう…!」
手を振って、またその場を駆ける。
「…よかった。最後は素直に言えた」
由紀のことになると、どうしても思っていることと反対の言葉を口にしてしまうから。
いつも傷つけてばっかだけど…、私も、春みたいに頑張らなくちゃね。
「よしっ!今日もバイト頑張るぞ〜♪」

