空で少しずつ、星が輝く。
遊園地の照明に照らされた春と優太の頬は、ほんのり赤く見えた。
「…じゃあ、私は由紀と乗りたいな。いいよね?由紀」
「お、おう。その…優太は?たまにはこういうのもいいんじゃないか?」
黙ったままの2人に、美香が背中を押して歩き出した。
「み…美香……」
「頑張って」
それだけ言われると、私達は2組に別れて観覧車へと乗った。
美香にはいつも、助けられてばかりだ。
「……」
乗ってから数分。
私と優太の間に会話はなく、ただ観覧車の動く音だけが静かに響いていた。
これじゃ、せっかく立てた計画の意味がないよ…。
必死で話題を探すが、いざとなると意識しすぎて何も頭に浮かばない。
そんな沈黙を破ったのは、先程から窓の外を見つめていた優太だった。

