not reach voice



─どうして? ─なんで?


その言葉しか出てこない




『うん。元気してた?』




何事もなかったかのように聞くユウマ。



『 あ、いや、え…、あ…、う…ん。』





頭が混乱しすぎて ハチャメチャな言葉になる私




『─…そうか。ならいいんだ。』



そう言いながら 昔のように こてんと左に首を傾け笑う。






─その癖だけは いつまで経っても変わらないね






ユウマが笑う時は 必ずと言っていい程 首を左に傾ける


笑うと言っても 微笑む程度だけれど

私は ユウマが微笑む時の仕草が好きだった




昔と変わらないユウマ 私の大好きなユウマ



─…そのユウマが今 私の目の前にいる




そう思うだけで やたらと心臓がうるさくなった