君がくれたもの

しばらく漁ってると折りたたみの四角い財布っぽいのが出てきた。


(は?これ財布じゃない?カードとかも一緒にあるし…でもお金が入ってない……財布落としたって嘘つかれたのかな…)


少しショックを受けながらも財布から免許証を見つけることが出来た


免許に男の自宅が記載されてた。

中央区か…



「すみません。この人を車に乗せるの手伝ってくれませんか?」


運転手にお願いし、嫌々ながらも運転手は手伝ってくれた。

男をのせたあと車へと乗り込む。


「福岡市中央区の〇ー〇ー〇までお願いします。」


住所を伝え寝ている男が車の遠心力で座席から落ちないよう支える


男はこの雨の中、ずぶ濡れの上に道路に座り込んだせいで

車内やシーツ等水浸しだった。

行き先を伝えたあと運転手は愛想なく返事し

無言で車を走らせた。

無言の車内の中、雨が降り止まない外を見た


(はぁ……

明日も早いのにあたし何やってるんだろ……。面倒くさっ……しかも財布あるし。最悪やん。)