君がくれたもの

「すみません。人違いだったみたいです。忘れて下さい。」


瞭我は恥ずかしくなり、雑誌を置きその場をすぐに立ち去ろうとする。




「………なんで泣いてたんですか?」




「え…?どういう…」


振り向くと真っ直ぐ瞭我を見つめる幸がいた。


「あっヤッパリ知り合いだったんですか……?泣いてた?どういうこと?」



「昨日大雨の中、突然あなたに話しかけられたの。お金がないって。
あなた泣いてるし、途中で寝てしまうし…
しょうがないから、あなたを家まで送りましたが…全然覚えてないんですか?」


「昨日…………?
あぁすみません。昨日は色々あって飲みすぎて潰れて途中から少ししか覚えてなくて。
そんなことがあったんですね。」


「俺は…さっきのアナタの電話の声聞いて聞き覚えのある声がしたなって思って…」