君の隣




俺らの上には、青空が広がっていた。




まるで、この世界に俺たちだけしかいないみたいだった。




夢花はまっすぐ空を見つめていた。




優しい夢花は

俺の孤独に…悲しみに…気づいてくれていたんだ




それがどうしようもなく嬉しかった。



独りじゃない


と、言ってくれているようで…




空を見つめたまま、俺の話を聞く夢花の横顔は凛としているのに不安定だった。




守りたくなる。




奏や他の人ではなくて

この手で、夢花を守りたい。




抱きしめてやれたら、いいのに。


けど、そんな時は浮かぶんだ…奏の顔が。



裏切れやしない。




ちゃんと、自分にストップがかかる。




泣きじゃくる夢花の頭をそっと撫でた。




こうすることしか…できないんだ。




夢花も、奏も傷ついてほしくないんだ。




大丈夫…。


夢花には奏がいるんだ。


夢花は独りじゃないよ…。



でも、俺には誰がいてくれるの…?


この、どうしようもない孤独感は誰がうめてくれるのだろうか…?




俺は…


やっぱり……独りだ…。