君の隣




島根に帰ってきて出会った女の子。



名前は、夢に花と書いて、夢花。



意志が強そうなのに、優しげな瞳が印象的だった。




初めは、ただの友だちとしか思ってなかった。



それなのに

夢花の声に…

夢花の笑顔に…

夢花の言葉に…



心が晴れていく自分がいた。




夢花は奏の彼女だ…。



1番の親友の好きな人。




絶対に好きになっちゃいけない。



けど…

心が夢花を求めるんだ。




夢花の優しさを求めてしまうんだ。




夢花には、辛い過去があった。




それなのに、弱さ1つ見せないで笑うんだ。




だから、夢花は見た目以上にずっと不安定だ。




壊れてしまうんじゃないか…って程無理してる。




だから、ほっておけなかった。




俺は、夢花が屋上に上がっていくのを見た。




もしかしたら、あの日みたいに泣いてるんじゃないかって…



誰かを求めてるんじゃないかって…



心配になったんだ。




俺は、屋上に向かった。




扉を開けたら…


やっぱり、君は泣いていた。