『夢花も、同じでしょ…?
夢花が笑うと、他の人は幸せになるんだけど、夢花自身は辛くなるんじゃない?』
『奏はね…ママが死んで真っ暗だったあたしの心の中に光を届けてくれたの。
奏がいなかったら、あたしはもっとおかしくなってたかもしれない。
けど…
いくら奏がそばにいてくれても、傷が癒えないの…
1人になると、怖くなって…
涙が出てくるの。
無性にママに会いたくなるの…』
『夢花の傷は、俺のなんかよりずっと大きいよ。
1人で抱えたら、自分が壊れちゃうよ…。
たまには、弱いトコも見せていいんだよ。
誰かのそばで泣いたっていいんだよ』
『玲音…』
玲音の言葉で気持ちが緩んだ。
あたしの目から涙がこぼれた。
玲音は何も言わないで、あたしが泣き止むまでそばにいてくれた。
落ち着いてくると、玲音はあたしの頭をそっと撫でて言った。
『泣きたくなったら、いつでも俺のトコ来ていいから。
1人で泣くな…』
チャイムがなると、あたしたちは教室に戻った。
皆もちょうど教室に戻ってきた。

