君の隣




『ん?何?』




『初めて会った時から、ずっと気になってたの。

玲音はいっつも笑顔だけど、瞳はどこか悲しいの。

無理して笑ってるでしょ…?


玲音は心の中に何を抱えてるの…?』




『夢花には分かってたか』




玲音は小さく微笑みながらそう言った。




『俺、東京でずっと1人だったんだ。
父さんも母さんも俺を邪魔扱いばっかしてさ…居場所がなかったんだ。


家に帰ると、おかえりって言ってくれる人はいなくて…


いくら強がったって、毎日毎日孤独に襲われるんだ。


東京にはあんだけの人がいるのにさ、俺は1人なんだ…』




玲音の言ってるコトが
今のあたしと被りすぎてて、胸が痛くなった。




玲音の気持ちが痛いほど分かる。



どれだけ笑っても、明るく振る舞っても消えてくれない孤独感。




ホントは


寂しくて…

苦しいのに…



強がって、笑う。




それがまた、自分を辛くさせる。



玲音の気持ち…分かるよ。





『話してくれて、ありがとう』




玲音が初めて自分の弱さを見せた。