君の隣




今日から、3学期が始まる。




玲音は
初日だから楽しみみたいだった。


クラスは
あたしたちと同じクラス。




玲音は職員室に、あたしたちは教室に向かった。





冬休み、1度も会わなかった友だちと再会ごっこをしていると、チャイムがなった。





皆が一斉に席につく。





『みんな、久しぶり。
今日から、3学期ということで、転入生を紹介する』




クラスがざわついた。




皆がドアに注目する。




先生が廊下に向かって、手招きすると、玲音が教室に入ってきた。



女の子たちが騒ぎだす。



そりゃ、あのルックスだから無理もないけど。




『挨拶して』





『どうも、酒井玲音です。

一応、はじめましてじゃないけど…

また、仲よくしてください』





玲音は小学校中学年ぐらいまで、ここにいたから久しぶりに友だちに再会した感じだ。




自己紹介が終わって、軽く微笑んだ玲音は早くも女の子たちをとりこにしたみたいだ。




先生は空いている席を指差して




『酒井の席はあそこな』




と言った。



玲音はカタン、と椅子を引いて席についた。




休み時間、玲音のまわりには、人だかりができた。




玲音は嫌がる素振りを見せないで、1人1人に笑顔で答えた。



相変わらず、優しいな

あたしは、そう思いながらそれを見てた。