君の隣




冬休みは
毎日のように奏と玲音とみいと大と過ごした。




玲音にも
あの夏、あたしに起こったコトを話した。




詳しいコトは言わなかったけど
ママが自殺した、というコトだけ伝えた。




玲音は深入りすることなく
黙って聞いていてくれた。




途中、何度も言葉に詰まって、胸が痛くなったけど、奏もそばにいてくれた。




5人で過ごす時間はすごく楽しくて、笑っていられた。




1人になると、おかしくなってしまうことは誰にも言わなかった。



また、皆を心配させてしまうし、迷惑かけたくなかったから。




皆で過ごす1秒1秒が大切で
あたしの居場所になった。




玲音は自分のコトを話そうとしなかった。




誰にも打ち明けられない程
暗い過去があるのかもしれない。

そう思うと
あたしは、何も聞けなかった。





冬の間は
雪がどかどか降って、海には行けなかった。




ママに会いに行けないのが
残念だったけど、ここは島根なんだからしょうがない。




あたしは毎日、毎日、ママを思った。