君の隣




『おぅ!夢花、言わんかったの?』




『うん…』




奏は何かを察したのか、それ以上聞いてくるコトはしなかった。




『へー。付き合ってるんだ。
確かに、お似合いかもね!』




『だろ…? 夢花に手、出すなよ』




『出すわけないだろ』




玲音は笑いながらそう答えた。




『お前のは信用できんな』




『親友の彼女だもん、安心しろって』




『でも―…』



奏がまだ何かを言おうとしたのであたしは止めた。



『奏!ごちゃごちゃうるさい!!

玲音を信じる前提にあたしを信じてよ!

そんな軽い女に思える!?』





『思えません!すいませんでした!』




奏が頭を下げてきた。



もちろん、あたしは爆笑。




『分かれば、いーの』




久しぶりに
ホンキで笑った気がした。



心が軽くなったような感覚。




あの夜、問いかけた疑問。


あたしの幸せは何なんだろう…?


答えはまだ出ないけど

幸せとは、案外何げない日々のコトをいうのかもしれない。




毎日繰り返される、当たり前の日々は

小さな…

でも、大きな…

幸せなのかもしれない。